田んぼ道を自転車で走っていたら野生のイナゴが飛び出してきたので死を予感した

私はでかいバッタの類が劇的に嫌いで、身の回りのでかいバッタには若草色タイプと枯草色タイプがいるのだけど、前者は青々とした草原の中、後者は文字通り枯草の中におり、どうもそのどちらもが「バレてない」と思っているようなのである、思っているという前提で話を進めたい。

まあでも本当にバレていないのなら、すなわち私が気が付かないなら、なんら実害なく心穏やかに生きていけるのに、奴らは自意識過剰なのでちょっとでもわしが近づくと「キリキリキリキリ!!!!」みたいなけたたましい羽音を立てながら飛び立ってゆき、非力なくせに、人間に太刀打ちできねえくせに自ら居場所をアッピールする辺り本当にバカなんだけどそこからして怖い、なに考えてるの、マジファッキン。

本当のバカは何を考えているのか分からないのでただただ恐怖だと思う、あいつら脳みそだって絶対良くて大豆ぐらいしかないから正真正銘正当にあほでバカゆえに恐怖だと思う。

そして前述したイナゴというものはいわば若草タイプと枯草タイプのハイブリット、「わしどこ行ってもバレてない」と思っているような自信過大の大馬鹿者なので、このたび私がちょっとそいつに近づいたら途端に私の進行方向に向けて飛び立ち、ほんのひと時同じような目線で同じような風を感じながら並走してしまい恐ろしい思いをした。

その後きゃつは私の自転車の数メートル前に着地してこちらを見やり、お前の出方によってはまたもう一度飛ぶぞ、みたいな感じでなにか脚に力を込めている感じが見受けられたので、その一本道は奴に譲り、人間の大の大人の私はすごすごと元来た道を戻っていったのだった。

自意識過剰で正当にバカでもはや恐怖でしかない昆虫、バッタ・イナゴの他にセミがあげられると思う。

ちょっと木の近くを通っただけで「ジジッッッ!!!!!」みたいなこと言って尿をまき散らしながら飛んでいく、人間がやったら絶対に許されることではない。

おめえなんて捕らねーよ!ということを本当に分かってほしいし何よりこちらがものすごくビックリするので双方の心の平穏のためにもそのバカさ加減を直してほしいけど、こいつも脳みそ良くて小豆ぐらいしかないから無理だと思う。

昆虫はどいつもこいつも脳みそ小さすぎて話にならないのでこれからも純粋な恐怖の対象として存在し続けていくのだろうなと思った。

原稿は今日はまだ1コマしか進んでいないのでこちらも恐怖である。