普通視点強化急務

昨日11/15は編集者に漫画を見せるという大事件があった。目の前の人間に自分の漫画を読んでもらいそれのコメントをもらうというのは人生初で、この後の自分の状態が全く想像できない期待と不安みたいな感覚にまだこの歳でもなれる現実を誇らしく思う。

最初は、紹介文に「どうすれば面白くなるか丁寧に指導します!」とあったA社(一応名前は伏せる)。まず「会話と勢いだけですね」と言われ、確かにと思ったので少し笑ってしまう。「29ページあったら、何か事件が起こって、解決するくらいのページ数ですよ。それが会話だけで何も変わらないまま終わりましたね」と言われ本当にその通りだったのでここで確かかなり笑ってしまったと思う、私にとってそれは褒め言葉だったからだ。非生産性は実に無駄で最高にくだらないほど価値があると本気で信じている。「普通(常識)のラインを決めるツッコミの人もちょっとおかしい印象なので、『これ変だと思うんだけど違うの?え!?変なのは私…?』とか『作者と対話できる気がしない』などと読者を不安にさせてしまう」みたいなことを言われなんかここでも笑ってしまった。でも具体的にどうすれば良くなるかはちゃんと提案してくれて、すごく納得できたしまた描き直すんだけどその案は取り入れる予定。ウケなかったけど超いい人だった。

次B社。普通に大手なので多分辛口で高飛車だし(偏見)いいとこと駄目なとこズバリ言ってくれて話のネタになるだろうなーという攻めの気持ちで選んだ。読まれている最中「フフッ」的な空気音を捉え「あれ!?今笑ったのかな!?咳・くしゃみの音じゃないよな!?でもコイツはそういうスタイルのそれをするのかもしれない!?」と動揺を誘われる。閉口一番、「面白かったよ」と一言。私はとても素直なので超喜ぶも「最初に喜ばせておいたところを叩く手口か!?」という可能性を見出し警戒。「前半はキャラのことがよく分からなかったけど、後半だんだん見えてきた。後半の主人公のテンションがヒートアップするところから面白い。くだらないけど深夜のファミレスとか、部室話みたいな感じだ。部活で漫画のアテレコ皆でやったこと思い出したよ…。来年投稿漫画賞あるから狙っていきましょう」的な感じで名刺くれてネームをメールする運びになった。一番無いと思ってたB社が唯一褒めてくれるって私の人生ドラマチック過ぎる。あとなんか言葉のセンスが非常にいいと言われ家と脳内でこのセリフ振りかざしてる。

他C社D社と行ったけど二人とも「説得力がないし感情移入できない」みたいな感じだった。持ち込み漫画で言われがちなことランキング一位の「絵が下手」を誰にも言われなかったことも自慢しておきたい。自分では中の下くらいの評価なんだけど(好き嫌いは別として)(自分の絵は大好き)あんまり画力関係ない内容だからいいのかもしれない。

今までこの持ち込み漫画を完成させることだけが目標だったけど、また来年の目標に繋げることができて描いた甲斐があった。批判や忠言も、3/4でそう思う読者が大半であろうことが分かったのでここを如何に読ませるかを考えるべきだと思うし、現にもう策は考えたのであとはどう具体的にしていくかを考える。また話を考えられるのがうれしいし、こんなに楽しいなんて私の人生輝いてると思う。次はACD社のあいつらにも面白かったと言わせたい。

今回の持ち込みのために描いたから評価をもらえたことはもちろん大事だけど、一番重要なのは私がこの漫画のキャラ達を好きになれたことだと思う。これは実際に描かなければ得られない感覚で、自分の作った人格がちゃんと脳内にインストールされた実感が確かにあって、それはそれは素晴らしく豊かなものなのだ…。漫画を描く人ならば誰でもこうなるんだろうか?