水魚

最近、暮らしが幸せなのでそのことについて書く。

結婚して一年以上が過ぎた。昨年、実家暮らしへの不満がピークに達したため、結婚して家を出ようと思い立ち結婚相談所に入会したところ、一か月程度で成婚退会でき、そのまま入籍して二人暮らしを始めた。現夫と初めて会ったとき、生まれも育ちも違う初対面の異性と、こんなに楽しく意思疎通することができるものなのかと驚いた。彼は技術職で、私が絵や漫画を描く話をしたら興味を持ってくれた。彼は非オタクではあったが、友人にオタクが多いらしく偏見はなかった。

彼はとても寛容な人だ。私の奔放な振る舞いを許し、一緒に楽しんでくれる。そのおかげか、今日は新たに3曲もできた。作曲をしているわけではないしなんと説明していいか分からないけど、例えば「ぼんぼんじりじりぼんじり」みたいな、二人が好きでかつ語感の良いリズム重視の歌。多分パッヘルベルのカノンをピアノでよく弾くからできたんだと思う、カノンは前のフレーズをちょっとずつ変えながら進むので。あとは私が急に何かの場面やセリフを思いついたときも、一緒にその世界に入ってきてくれる。

私は突発的に昔の嫌なことや、反省すべきこと、あるいはなんでもないようなことを思い出しては奇声を発する癖があるのだけど、最近ではその度に同じように彼も奇声を発して相呼応してくれるようになってすごく救われた。こんな解決策があるなんて知らなかった。いや、私の奇声自体は解決してはいないのだけど、最悪な気分になるところを「あいつも発した」と思うことで楽しくなるか、どうでもよくなるので、精神衛生上良いと言う方が正確。

「この先生きのこる」の見事なダブルミーニングに相当する日本語を最近新たに発見した。「そんなのはなくそのかわりに」だ。何かに使っていきたい。

話が逸れた(逸話ではあった)。私はいつからか、全く新しい、今まで誰も知らなかったものにずっと興味があった。それを手に入れる簡単な方法は自分で何かを作ることで、完成するまでは苦しくもあるけど楽しくて、「私が真にやりたいのはこれだ」という確信があった。でも、調子が悪いとそれができなくて、それが何よりストレスだった。

実は少し前まで調子の悪い時期ではあったのだけど、それが明けて毎日が楽しくて素晴らしく感じるようになったとき、改めて、夫が私の人生になくてはならない存在なのだと気付いたので、一度きちんと書き記してみたくなったのがこれだ。

私が現時点で学んだ人生訓は、「現時点では到底無理だと思われる、描いてみたい作風や絵は、ずっと思い続けていると、ある日突然できるようになる」。

これからも健康で文化的な楽しい生活をしていきたい。