労働はしたくない

なぜ働かなければならないのか、「憲法で国民の義務と定められているから」「金がないと生きていけないから」「仕事が無いと毎日に張りが出ないから」「暇だから」「働かなければいけないから」「みんな働いてるから」以外の、もっと根っこの部分の回答を知りたいとずっと思ってきて、それが分かるまでは本当は働きたくなかった。労働を労働と思わずに労働できるのが一番理想で一番自然なはずなのにと、皆不自然に見えて仕方なかった。気付けば社会に参加して、社会がどれほどいいものかを教えられ、社会を作るための労働を強要し、社会への疑問は黙殺する、おかしい。

私の好きなバンドのボーカルが「だってライブをやるたびに『お前暴れんじゃねえよ!歌えよ!』とか言われるし。決めつけられたり、そういうことを言われたりするのが嫌で音楽をやっていたのに。そもそも『なんで俺が歌わなきゃいけねえんだよ?』って思ってました」とインタビューで言ってて当時それにものすごく共感して、今でも心に残ってる。

でも働くと決めた、嫌になったらすぐ辞めるという条件で。絵は、ただだらだらと、有り余る時間の暇つぶしに仕方なく描くもんじゃないと思った。現実が嫌で、嫌で嫌でどうしようもなくて、限られた時間を惜しむようにして描くものだ。鬱屈とした感情を少し貯める必要があって、それには働くのが一番いい。半分以上後付けの理由。